加藤ゼミナールについて

網羅性のある教材と講義で他受験生に差をつけることが出来た!

プロフィール

A.S 様
法学部 卒業
法科大学院(既修)在学
令和5年司法試験 合格

 

受講講座

 

成 績

公法系 A、A
民事系 C、A、B
刑事系 D、A
経済法 50点台後半

短答 140点台前半

総合 800位台前半

 

講座を選択した経緯・理由

友人から勧められて、テキストを見せていただいたところ、予備校教材とは思えないほど詳しく網羅性が高く、これを完璧にすれば試験に受かるだろうと考えたため。

 

講座・教材の使い方

論証集の論点ごとにペース配分を決め、最初のうちは、該当範囲のテキストを読みながら進め、周回するごとに論証集の論証を見ただけでテキストの内容やその単元で扱われていた過去問や主要な判例などを想起できるようトレーニングするというものがあった。この論証集は目次があったのも大変ありがたく、直前期は濃淡をつけるために目次を見ては論点名から論証が想起できない・問題の所在が論証題名からわからない、という部分を洗い出しては、当該部分についてテキストとともに確認する、という作業を繰り返した。

憲法に限っては、人権ごとに審査基準の定立からあてはめまで順を追って想起していき、どの段階ならこの判例のこの部分が問題になる、ということをひたすら頭で想起し、一通り想起できるものを出し切ったら論証やテキストを見て抜け落ちていたものを探し補充する、という作業を直前期は繰り返していた。

法科大学院の授業は事例分析というよりはむしろ、レジュメや授業用教材の一問一答に応えるような点で膨大量の知識を点で教わるタイプの学習になるため、一元化教材に落とし込み、答案で使いこなせる知識にまで錬成するためには別で俯瞰的な視点から得た知識をまとめ直すなど労力を要するはずだった。しかし、加藤ゼミナールの論証集は、比較的法科大学院で学ぶような応用的な論点も網羅していたため、それをベースに授業で得た知識や先生の小話を追記することができ、一元化教材の出発点を作る膨大な時間が省けてとてもよかった。

一人でできる方法ではなくて恐縮だが、同じく加藤ゼミナールの論証集を持っている友人と問題を出し合って論証が頭に入っているか、論証の暗記に終わらずそもそもの問題の所在なども適切に把握できているか、他に典型的事例において関連して問題になることが多い論点はないか、などを、口を動かして説明しあう方法も極めて効果的だった。直前期は、一人で机に向かう時間以外の時間だったため息抜きにもなっていた。

 

講座・教材が令和5年司法試験にどのように役立ったか

出題内容との関連性について

・刑事訴訟法では、テキストに丁寧に書かれていたAランク論点が出たため、差をつけることができた。

とりわけ領置は、強制処分該当性→任意処分の枠組みで書いてしまった人も相当数いた印象だが、加藤先生が繰り返し、領置は特殊類型であって、任意処分として行うことができる領置ができる場面かを先に判断し、それが不可能な場合はもはや強制処分としての差押えとして行うほかないこととなる、という逆転構造になっていることを説いてくださっていたため、友人含め、加藤ゼミナール受講生は入り口で差をつけることができていた印象がある。

・憲法では、とりわけ生存権に関して、答案の書き方にフォーカスした基本書がほとんどない中、あらかじめ主張反論の構造の中にどのように諸判例が示した枠組みを落とし込めば良いかを講義内においても論証集においても示してくださっていたため、いわゆるマイナー人権ではあったものの本番も冷静に対応することができた。

・行政法では、あまりフォーカスされないこともある論点だが「重大な損害」はそろそろ出る、と講義で言われていたため、定義や判断基準の対策ができてよかった。

・商法では、TKC模試や期末試験でも繰り返し出題されていた106条が出題されたが、本案に関する部分は皆対策していたと考えられる反面、原告適格や訴えの利益については対策できていなかった人が多かったのではないかと考えられる。講義で106条をめぐる論点を網羅してくださっており、論証集にも注釈まで使って応用的な論点までもれなく記載してくださっていたため、本番も戸惑わずに対応することができた。

方法論について

・憲法では、パターナリズムやアファーマティブアクションなど、論点自体はふんわりと知っていてもそれをどのように主張反論形式に落とし込めば良いかはわからない論点がかなりあったが、整理してくださっていたため、答案の書き方がわからないという悩みを持たずに済んだ。また、誘導事実を丁寧に紐解けばそのまま答案の骨子になっていることもよくわかり、事実を拾うことも自然とできるようになった。

・刑訴法では、適宜過去問を引っ張り出してきてくださったため、事案への適用を論点の学習と同時に進めることができ、大変有益であった。とりわけ捜索差押えは、本番出題されなかったものの、具体的な事例やイメージ図を用いた説明がわかりやすかった。

・民法では、入り口で請求の内容や訴訟物を明示することの重要性を説いてくださったため、本番でも意識することができたと思う(設問1では請求原因の確認が必要か問題文からは曖昧とも言えるが、講義内でのお言葉を思い出し、しっかり記述することができた)。

・民訴では、反射効、争点効や引換給付部分への既判力など、基本書の文字を追うだけではなかなか位置付けや意義が不明確になりがちなところを、分析的に説明してくださったため、わかりやすかった。

教材について

・他の予備校のテキストと違い、参考文献がしっかり引用元を示してくださっており、判例評釈なども読み込まれていることがよく伝わるため、内容に絶対的な信頼をおくことができた。

・教材へのマークは、それを見るだけで重要度がわかったため、直前期に活用した。複数の理由づけのうち、特定のものだけマークの色が異なる部分などは、直前期に復習する際、その理由づけだけはマストで覚えて残りの理由づけはその主要な理由づけに紐づけて覚える限度にとどめよう、など、濃淡を意識することができたと考えている。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

試験直前は非常に辛く、また試験範囲自体も膨大なため、受験日までに完成したと自信を持つことはできない人も多いかと思います(少なくとも私はそうでした)。

未知の論点は必ずありますし、その場で考えた事柄を惜しまず言葉で表現することができれば、いわゆる正解筋からはかなり外れていても、合否に影響するほどの低得点が出たり足切りに遭ったりすることは防ぐことができると思いますので、最後まであきらめずに頑張ることを大切にしていただければと思います。

加藤ゼミナールの教材を信じて叩き込めば、おのずと合格が見えてくると信じて、頑張ってください!