加藤ゼミナールについて

内部進学で司法試験が初めての大きな試験、1回目600位台合格!

プロフィール

吉川 史也 様
同志社大学法学部政治学科 中退(飛び級進学の為)
大阪大学大学院高等司法研究科(既修)卒業
令和5年司法試験 合格

 

受講講座

 

成 績

総合 932点 639位
論文 460点 580位

公法系 105点
民事系 184点
刑事系 123点

 

講座を選択した経緯・理由

司法試験受験までの受験経験

司法試験の合格体験記には、トップレベルの大学出身者、予備試験合格者が多く、自身の現在地との比較で、私に再現性があるのかと、受験生時代悩んでおりました。加藤先生もご指摘の通り、司法試験には、受験の経験や基礎的な学力が一定影響すると考えていたからです。

そこで、私の体験記を参考にしていただくにあたり、私の司法試験受験までの受験経験などの基礎的な学力面を明らかにしておきます。

まず、大学は同志社大学出身(政治学科)であり、いわゆる受験強者ではなく、中高も大学付属校であったため、受験の経験は、中学受験を除きありません。司法試験が初めての、大きな試験でした。他方、高校の定期テストなどの学習は、一定程度できていたつもりですし、勉強することに大きな抵抗感はありませんでした。

大学2年生の9月(司法試験の3年10か月前)から他の予備校においていわゆる基礎講座等を受講し、ロースクール受験の直前数か月は個別指導において、答案の書き方や基礎等を教わりました。予備試験については、受験経験はありますが、いずれも下四法の短答対策に手を回すことができませんでした。ロー既習1年目は、司法試験・予備試験短答過去問の憲法、民法、刑法の過去問演習を1周、ロースクールのテスト範囲である短文事例問題集の復習、ローのテストである程度の成績をとれる学習をしていました。

したがって、加藤ゼミナールを受講する段階では、予備校の基礎講座を受講し終わり、短文事例問題集も一周は読了し、ローの授業にはついていけるというレベル感でありました。

加藤先生の講座を受講した理由

法律学科ではない、他学科出身であったため、なんとか大阪大学ロースクール既習に入学後も、基礎的な法律知識に大きな不安を覚えていました。司法試験に直結する基礎的な法律知識の学習の必要性を強く感じていた際に、ロースクールの友人(77期)に加藤ゼミナールをすすめられ、教材等を見せて頂きました。

加藤ゼミナールを受講する決め手となったことは3つあります。

第1に、論証集の分かりやすさです。加藤先生の論証集は、覚えるべき項目がすべて明らかになっており、論証集の説明が詳しい為、論証集のみで暗記が完結すると感じました。

例えば憲法では、抽象論の展開になりがちで得点が伸び悩んでいたところ、加藤先生の論証集は判例名の明示やその射程の検討、また反対説の言及などを盛り込んだ論証が示されており、司法試験において求められている答案に近いものであると感じました。実際今年の憲法では、生存権が出題されたのですが、加藤先生の論証集には、生存権の判例と、処理手順、学説までが答案形式で示されていたため、他の受験生に一定差をつけられたのではないかと考えます。

第2に、加藤ゼミナールの教材はすべてとるべき説、論証が一貫しているという点です。

総まくり講座、論証集、過去問講座すべてを加藤先生が御担当されているため、講座ごとにとるべき説や論証が異なるという事態が発生しません。ロースクール入学まで学習していた予備校では、講座ごとに説や論証が異なっていたため、自身がとるべき説、論証を検討するという時間が生じてしまっていたため、とても有益ではないかと感じました。

第3に、講座の撮り直しを適宜されているということです。

司法試験の過去問は、蓄積されるにつれ、受験者のレベルが上がっていくため、出題当時の合格答案は、現状では合格答案ではないということが生じ得ます。また、司法試験は科目特性があるため、過去問解説の中で他の年度、特に直近司法試験との比較をしながら解説をして頂けることが重要であると考えていました。その点、加藤先生の講座は撮り直しがされていますので、古い年度の解説動画においても、直近の司法試験の傾向、受験者のレベル感を踏まえた上で、現在の司法試験ではどの程度のレベルが必要なのかを明らかにして頂けますし、適宜講義内で、他の年度の過去問において出題された同じ論点との比較をして頂けました。

 

講座・教材の使い方

ここでも、できる限り学習内容と行った時期を共に示すことで、試験までの学習の手順と学習の進捗を明らかにします。

ロー3年生に進学した時点で、加藤先生の講座を受講しましたが、春学期はロースクールの授業に追われ、選択科目の労働法とローのテスト対策のために該当箇所の総まくりを参照した以外学習が進んでおりませんでした。

ロー3年生の夏休みから、科目ごとに総まくり講座受講→過去問講座受講の順で学習を進めました。(一巡目は、Aランク過去問のみ、苦手意識があった民訴、商法、民法については他社の短文事例問題集も併せて演習を行いました。)。

総まくり講座

総まくり講座は、まず、マーク指示の動画に基づき、マークを行い、概略を掴んだのちに、講義を1.5倍速(一部1.75倍速)で聞き進めました。予習等はせずに初見の状態で講義を視聴しておりました。

倍速講義を聞いた後、授業で触れられなかった部分や、理解が難しかった部分を復習しました。目安として、授業を聞く時間と復習をする時間をあわせて講義時間の1.5倍まで、多くても講義時間の2倍以上は時間をかけないようにしておりました。加藤先生の講座は、1.5倍でも十分に視聴することが可能です。

司法試験過去問講座

過去問講座については、ロー内でゼミを組み、時間を計測し起案を行い、その後に過去問講座を受講していました。過去問講座は、講義を聴く前に解説ページと答案を読み、自身の答案との比較を行っていました。解説ページには、出題の趣旨や採点実感が必要な形でまとめられており、出題の趣旨、採点実感を自身で読み解く必要がなく、大変効率的に学習をすることができました。

また、解説ページで理解が及ばないところについては、総まくりのテキストのページ数が欄外に記載されていますので、それに基づき復習を行っていました。余程わからない箇所でない限り基本書等を参照することは行っていませんでした(同様に総まくり講座受講段階でも基本書を参照することはほとんどありませんでした。)。

講義の視聴中は、先生の発言内容等を適宜欄外に書き込みながら、この過去問において理解するべき抽象的方法論や覚えるべき規範を意識しておりました。

論証集への一元化は、規範の当てはめの仕方や、抽象的でわかりにくい規範に具体例という形で過去問の内容を適宜記載しました。私は、具体例があった方が理解が深まるタイプであった為、行政法などでは、かなり詳しく具体例を過去問年度と一緒に一元化することで復習を円滑にできるようにしておりました。起案、解説と答案の確認、講義の視聴、復習、一元化で、5時間程度かかりましたので、休みの日は1日2年度分、授業がある日については、1年度分を2日に分けて行うこともありました。

学習時期についてですが、司法試験1年前の7月から開始し、科目ごとに集中的に行い、司法試験を受ける年の3月までにはすべての科目の総まくり、過去問講座、憲法、民法、刑法の短答過去問を一周終わらせました(科目の順序は、ローのテストで必 要な科目から順に行った為、参考になりません。)

学習開始段階で大まかな予定をたて、ゴールから逆算し、毎日の学習内容を月ごとに定めていました。ある月の大まかな学習予定表を参考として載せております。

そして、司法試験を受ける年の3月、4月、5月中旬までは、集中的にBランク過去問を同様の手順ですすめ、Aランク過去問の復習と他社の答練も受講しておりました。6月、7月は、毎朝短答の1年度分を解いた後にひたすら司法試験過去問ABランクの復習と論証の暗記を行いました(Cランクについては、解く時間はなく解説と答案を読むのみにとどまりました。)。

論証暗記については、キーワードを想起し、自身の言葉で補うことで、ぎりぎり論証を再現できる程度で、完璧に暗記できていたわけではありません(論証暗記はもう少し行う必要があったと考えています。)4月末のTKC模試において全体成績で上位17.3%でした。

 

講座が本試験でどのように役立ったか

科目ごとの型について

加藤先生の過去問講座は、加藤先生がすべての教材作成、授業を御担当されていることから、科目ごとの、書き方、型というものを理解することができ、本番でも科目ごとの特性にあわせて答案を作成することができました(一人の先生がすべて担当されているからこそ、科目ごとの特性を抽象化して自身の中で理解することができたのだと思います。)。

主観的には、司法試験受験直後落ちていることも一定心づもりしていましたが、結果として一定の成績で合格できたのは、細かい論点を超えた各科目ごとの「書き方」を理解することができていたことが大きいと感じます。大きな論点と解答筋を外さないことは極めて重要ですが、それらと同じくらい、基本的な論点、考えたことをどのように書くかという「書き方」も重要であると感じます(正直科目ごとの「型」、「書き方」について私が言語化することは難しいのですが、総まくり講座の冒頭部分を参照するとよいと思います。また、過去問講座を科目ごとに集中的に受講し、演習することで見えてきます。)。

司法試験の出題について

前述の通り、憲法では、生存権が出題されたのですが、加藤先生の論証集では、生存権について、判例、学説が答案形式で掲載されていたため、それらを想起する形で答案を作成することができました。

刑事訴訟法では、あてはめが重視されますが、加藤先生の過去問講座で学んだ、単に事実を羅列するだけでなく、事実を評価して当てはめる際の言い回しなどもとても役に立ちました。

民事訴訟法第一問は、私は学習をしたことがない、現場思考問題でしたので、過去問講座でお話されていた現場思考のやり方に沿い、大きく外さない程度の守りの答案を作成することができたと考えています。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

最後まで読んで頂きありがとうございます。

加藤先生の講座は、司法試験合格に必要なエッセンスのすべてが詰まっています。加藤ゼミナールの教材を見たロースクールの同級生も皆同じことを言います。是非、教材を信じて最後まで頑張ってください。できることなら、ローの1年目から、司法試験を意識して総まくり講座を受講し各科目の基礎を固めることが重要だと今になって思います。応援しております。