Y 様
法科大学院(既修) 在学
令和5年司法試験 合格
労働法 64.69点
元々、大手予備校の講座に付属する労働法の講義を受講していたのですが、労働法は重要判例が毎年のように出ますし、法改正も多いにもかかわらず、講座で使用しているテキストが頻繁に改訂されているわけではなく、講師の説明も具体的とは言い切れず、あまり内容に満足できていませんでした。また、ロースクールでも教授によって分かりやすさに差があり、分野ごとの理解度に大きくムラがありました。そんなときに、先に合格した大学時代の同期から加藤ゼミナールを勧められ、詳しく聞いてみると、論理的で緻密な講義が展開されるという話を聞き、労働法を伸ばす最適解なのではないかと考え、受講することを決めました。
まず、速修テキスト講座を指示動画の指示通りに加工した上で、テキスト講座の講義をとにかく1周聞き、あとは重要問題100選講座の問題をとにかく繰り返すというシンプルな使い方をしました。重要問題100選講座を解く際に気をつけたこととしては、まず問題文から論点を適切に抽出できるかを確認し、次に論点の理由付けと規範をきちんと正確に書けるかを確かめ、最後にその規範に対応するあてはめをするにあたって、どの事実をどう評価するかを確認する、ということです。これは法律の勉強においてどの科目にも言えることだと思うのですが、自分がどの段階に躓いているのかをきちんと明らかにすることで、自分の弱点を把握し、その部分の補強をするよう努めました。分からない際には水町先生の基本書も用いましたが、基本的には速修テキストに戻って足りることが多かったです。速修テキストは基本書や判例集の引用もしっかりされていたので、もし分からないことがあっても原典にあたることができ、その点でも勉強を効率化できたと思います。そして、重要問題100選講座で躓いたポイントや、有用な速修テキストの記述などを付属の論証集に一元化することで、自分なりに弱点やポイントをまとめた教材を作成することができました。司法試験直前にはこれを繰り返し確認することで、重要な論点の規範を再確認するとともに、あてはめの方向性や、自分が間違いやすいポイントも頭に入れることができました。
在学中受験で時間も少なく、結果的に過去問にはほとんど目を通すことができなかったのですが、2つの講座、特に重要問題100選講座には過去問のエッセンスも凝縮され、かつ重要論点は網羅されているので、内容としては必要十分だったように思います。
一番役立ったことは、重要論点の規範に対するあてはめの方向が基本的に判例に準拠しており、かつそのあてはめの方法を重要問題100選講座でも練習することができるので、本番でもどの事実を重点的に拾うべきか、その事実をどのように評価すべきか、という相場感を掴むことができたという点です。もちろん重要論点についてメリハリをつけて頭に入れることができるというだけでも十分役立ったのですが、事実の評価方法についても速修テキストに細かい指示があったため、重要問題100選講座を繰り返しながら速修テキストも読み返すことで自然と規範や当てはめの仕方が頭に入り、本番でも典型論点以外の部分について考えるのに多くの時間を割くことができたように思います。
加藤ゼミナールの労働法は周囲に受講している人も多く、司法試験の選択科目を労働法で受ける人のスタンダードになりつつあると思います。速修テキストの情報量は少なくないですが、マーク指示や加藤先生の授業中のアナウンスによって、メリハリをつけた学習をすることが可能であり、選択科目にあまり時間をかけられない人にとっても、短期間で点数を合格レベルまで伸ばすのにとてもよいと思います。さらに、労働法という科目全体のシステムをきちんと分かりやすく伝えつつも、実際に答案を書くにあたりできるだけ悩みが少なくなるように、学習者の目線に立った細やかな配慮が随所になされていると思います。テキスト講座と100選講座といった講座同士の連携もしっかりしており、複数の講座を受講しても安心して学習することができると思います。
司法試験は受けるまでも長い戦いですし、本番も長丁場となるため、くれぐれも体調には気をつけて、皆さまが試験場で少しでも良いパフォーマンスを出し、合格できますことを心から願っております。