A.H 様
私立大学法学部 卒業
国立大学法科大学院(既修) 卒業
令和3年司法試験 合格
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司法試験過去問講座2019
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総合 1100番台
憲法A 行政法B
民法D 商法A 民訴A
刑法D 刑訴B
労働法 58.07点(上位14%)
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ロースクールの合格が決まり、入学までの間に少し時間がありました。その間に何かしておいた方が良いことはないかと調べていたところ、加藤先生が司法試験の過去問に早いうちから取り組んでおいた方が良いとおっしゃっていることを知りました。
そこで、本屋さんに行って司法試験の過去問解説の本を探したのですが、直近数年分しか置いておらず、初期のころの解説本は見つかりませんでした。それならば、全年度分の過去問を解説されている加藤先生の講座を受講してみようかなと思ったのが最初のきっかけです。今となっては、そのとき加藤先生の過去問講座を受講しようと思えたことが本当に良かったと思います。
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司法試験の過去問は、平成18年から数えてもかなりの量があって、基本7科目だけで考えてもすべてを解くことは困難であり、どの問題から解いていけばよいのかと悩んでいたのですが、加藤先生が毎年司法試験過去問の優先順位ランクを出してくださっています。AランクからCランクまであり、必ず答案作成してほしいものから答案構成程度でも構わないものまでを順位付けされているので、それに従ってAランクのものから実際に答案を作成して、それから講義を受講し、自分の一元化教材に重要なものや足りなかったものを補充していくという作業を繰り返しました。特にAランクのものは2回、3回と解いてみて、1回目より2回目、2回目より3回目の方が自分の答案の精度が高くなっているかを確認していました。
また、加藤先生は、科目間の優先順位も付けてくださっている(刑訴や憲法、行政法を優先など)ので、私は刑訴から取り組んで、行政法、憲法の順番で進めていました。
他には、憲法や刑訴の過去問講座のテキストの最初に総論として、違憲審査基準の考え方や強制処分・任意処分の当てはめの考え方などがまとめられたものがありました。私は、これをコピーしていつでも見れるようにして、憲法・刑訴の問題を解くときは、これを見てから演習にとりかかっていました。それほど完成度の高い物です。
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(1)出題内容との関連性について
本年の刑訴では、犯行計画メモの伝聞証拠該当性が出題されました。伝聞証拠の問題は、過去何度となく出題されている分野ですが、苦手な受験生が多く、私もその一人です。刑訴で点数を取るには、伝聞証拠の攻略がカギになります。上述した過去問コンプリートのテキストの総論には伝聞証拠についても詳しくまとめられていて、伝聞・非伝聞のあらゆるパターンが網羅されており、出題される問題は、その中のどれかに必ず当てはまります。ですので、総論の伝聞証拠のまとめを頭に入れておいた私は、何とか処理できました。
(2)方法論について
加藤先生の講義では、過去複数回出題されている論点や多くの受験生が混乱しているところについて、答案の型や書き方を教えてくれます。例えば、行政法の原告適格や裁量基準に従った(又は裁量基準に従わない)裁量権の逸脱・濫用など。今まで何となくで答案を書いていた私にとっては、頭が整理されて、答案構成や当てはめの部分に時間をかけることができるようになりました。
(3)教材について
憲法は、出題形式がここ数年三者間形式から意見書形式に変更されています。市販の過去問解説本では、三者間形式で出題されている年度の問題については、当然三者間形式の模範答案しかありません。過去問コンプリートでは、加藤先生が全年度分の過去問について三者間形式の模範答案と意見書形式の模範答案を用意してくださっています。これにより、三者間形式時代の過去問においても高い学習効果を得ることができました。
全年度において、過去問の解説が詳しくされており、いちいち基本書や判例集を自分で探して見る手間がありません。加藤先生が必要十分な解説をしてくださっています。
加藤先生の過去問講座では、8ページのフルサイズの模範答案と現実的な中位答案の2つが用意されています。模範答案はどんな過去問解説本でも載っていると思いますが、受験生が現場で書ける現実的なラインの中位答案はあまり他では見たことが無く、勉強する上では、中位答案を自分でも書けるようにと頑張っていました。
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私は、司法試験の過去問にとりかかり始めたのは早い方だったと思うのですが、ロースクール生活が始まり、日々の予習復習で忙しくなり、過去問を解くことから離れてしまう時期がありました。
そのため、全年度分の過去問を解くことは出来ず、十分に過去問演習を出来たとはいえません。本当ならばもっと解いて司法試験に向かいたかったなあと思います。
もし、まだ司法試験までに時間の猶予がある方にアドバイスをするとすれば、司法試験の過去問には早く取り組み始めるべきであり、ロースクールの授業などが忙しくなっても、過去問演習の時間を積極的に取るようにするべきである、と伝えたいです。同じロースクールの授業であっても、過去問を解いたうえで受講するかどうかで、得られる知識の量や吸収率が全く変わると私が実感したからです。ロースクールの授業では、司法試験レベルを完全に超えていることを教わることもありますが、その判断は実際に過去問を解いた人間にしか出来ず、全授業内容を自分のものにしようとすると、オーバーワークとなる可能性が高いです。ロースクールとも加藤ゼミナールのような予備校とも、双方とうまく付き合っていくためには早いうちからの過去問演習が非常に重要だと思います。