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はじめに
司法試験合格までの勉強時間について、巷では、3000~8000時間もの勉強時間が必要と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
私の実体験から、法科大学院を経由して司法試験合格までに要した勉強時間について振り返ってみたいと思います。
1日の勉強時間
まずは、法科大学院に入学してからの1日の勉強時間を見てみましょう。
ここでは勉強時間を計算するため、ざっくりとした1日のスケジュールを示します。
平日のタイムスケジュール
ロースクール在学中の勉強時間は以下のとおりでした。
- 8時30分~9時 学校到着(早く着けば自習)
- 9時~12時 授業
- 13時~15時 自習
- 15~16時30分 授業
- 16時30分~19時 自習
日によって授業のコマ数が異なりますが、自習時間は平均5時間ほど、授業時間も含めると1日あたりの勉強時間は平均9時間ほどになります。
私は朝型だったので、勉強時間を長くする場合には早起きをして、なるべく遅い時間まで自習室に残らないようにしていました。
平日はどのように過ごしていたのか
ロースクールの授業がある期間の自習時間は、主に授業の予習・復習にあてていました。
例えば、民法の授業であれば、事前課題を解き、関連する基本書を読んだりしていました。
司法試験対策としては、まとめノートの作成(一元化)に時間を割いていました。
休みの間はどう過ごしていたか
土日や夏休みに関しては勉強時間に差があるのですが、3~8時間ほどでしょうか。まとまった時間を利用して、司法試験の過去問(論文)を解いたり、択一問題を解いたりしていました。
直前期以外はアルバイトをしていたこともあり、他の受験生と比べると、かなり勉強時間が少ないと思います。
なお、家では勉強ができないタイプなので、休みの日も、法科大学院か地元の図書館に行っていました。
直前期の勉強時間
直前期(司法試験当日~3か月前)は、平均して1日8時間ほど勉強をしていました。体調が悪かったり、疲れたときはしっかり休んでいましたが、それ以外の日はコンスタントに勉強していたと思います。
直前期の勉強法については、「司法試験 短答式 対策」「司法試験 勉強法」などで紹介しています。
合格までに要した時間
上記では、法科大学院入学から司法試験受験までの勉強時間を示しましたが、法科大学院入学までの勉強時間等も含めて合計すると、私の場合は、 合格まで約1万時間を要しました。
勉強時間について思うこと
(私見)合格に必要な勉強時間とは
私は勉強記録をしっかりつけていたわけではなく、法科大学院の授業が無い時のスケジュールは概算でしかないですが、それでも約1万時間は司法試験もとい法律の勉強にあてていたと思います。
そして、自分自身の勉強時間を振り返ってみると、巷でいわれる「合格までの勉強時間」はあながち間違いではないと思います。「合格までの勉強時間」に何を含めるのか(大学や大学院の授業時間/予備校の動画受講時間を含めるのか)が不明であることもふまえると、司法試験に合格するためには、少なくとも、集中して自習する時間が凡そ5000時間は必要なのではないでしょうか(大学や法科大学院の授業を除く)。
もちろん、既習・未修の違いや学習環境、体力など様々な要素があるため、一概には言えないですが、これから勉強を始める人は、少なくとも5000時間は集中して勉強する必要がある、と考えて良いのではないかと思います。
時間は目安でしかない
司法試験は、勉強時間を伸ばしたからといって合格する試験ではありません。
これから司法試験を受験する方が合格までの目安にするのは良いと思いますが、あくまで「目安」に過ぎません
タイムスケジュールを組んで勉強をしたり、目標時間を設定することも大切ですが、これはあくまで手段であり、「どのような方法で、集中して勉強するか」が最短合格のために重要なことだと思います。
実務家弁護士S
私大法科大学院卒業・新司法試験合格・実務経験2年以上
加藤ゼミの受講により勉強法を変えたことで司法試験に合格したことから、その経験を後輩に伝えたいと思い記事を執筆。
受験生時代の得意科目は刑法、苦手科目は行政法。