本日、令和3年予備試験論文式の合否発表がありました(法務省のページはこちら)。
論文式を受験された皆様は、本当にお疲れ様でした。
論文式を受験された方々に、私からお伝えしたいことがございます。
〇口述試験に向けて
予備試験論文式合格、誠におめでとうございます。
今日から約2週間後、口述試験があります。
口述試験の合格率は95%前後です。
しかし、30倍近い倍率を突破した実力者のうち、5%近くの人たちが合格できない試験でもあります。
このことに、合格率が非常に高いため合格が原則、不合格が例外であると認識されている試験であることとも相まって、もし落ちたらどうしようと強い不安を抱えている論文合格者の方々は少なくないと思います。
私は口述試験を経験したことはありませんが、これから口述試験に向かう皆さんにお伝えしたいことが1つだけあります。
それは、合格率が9割を超えるような試験では、「どうすれば合格できるか」よりも、「どうすると不合格になるのか」を重視したほうがいいということです。
ここまで合格率が高い試験だと、「これをやったらさすがにまずい」という不合格原因があります。
Twitter、ブログ、youtubeなどを通じて、あるいは口述試験不合格の経験のある知人を通じて、「どうすると不合格になるのか」についても把握して頂きたいと思います。
「どうすると不合格になるのか」について把握し、そうならないようにするための対策をすることにより、客観的には合格可能性を高めることができますし、主観的には不安が和らぎ冷静な状態で口述試験に臨むことができるようにもなります。
〇令和4年司法試験に向けて
令和3年予備試験合格者の方々は、残り約7か月半で、司法試験対策を完成させる必要があります。
基本7科目については、司法試験の傾向とレベルに対応できるようになることが重要です。
司法試験と予備試験とでは、分野・論点という出題範囲での共通性が強い一方で、科目ごとに程度差があるものの、問題文の複雑さ・情報量の多さ、出題の形式・角度、点の取り方について、違いがあります。
こうした司法試験の特徴に対応できるようになる必要があります。
司法試験過去問の演習・復習を繰り返すことで、司法試験の問題に対応するための深い知識(書き方を含む)、方法論(現場思考問題の対処法を含む)、慣れを徐々に身につけていきましょう。
そのためには、司法試験全体及び科目ごとの特徴を的確に捉えた分析と、それに従った演習・復習が大事になってきます。
予備試験論文式に合格できるだけの知識があるのですから、インプットよりも司法試験過去問を使ったアウトプットに時間をかけるのが望ましいです。
このことに、司法試験まで約7カ月間しかないことと、選択科目対策もやる必要があることも踏まえると、総まくり講座は受講しないで、司法試験過去問講座だけを受講するという選択がベストであると考えます。司法試験過去問講座には無料で総まくり論証集が付属するので、論証集を使って全範囲について知識のブラッシュアップを図ることも可能です。
なお、10月末まで全講座10%OFFキャンペーンを実施しております。
〇選択科目対策
まだ選択科目対策を開始していない方は、口述試験直後から選択科目対策を開始することになります。
新しく勉強する法律科目については、論文試験に耐え得るだけの知識と感覚を身につけるには時間がかかります。
口述試験の合格発表後から選択科目対策を開始するのでは間に合わない可能性がありますから、口述試験が終わったら直ちに選択科目対策を開始しましょう。
選択科目を選択する際の視点、労働法の科目特性などについては、こちらの「司法試験・予備試験における選択科目対策」という記事で詳細に説明しております。
労働法選択者の方には、労働法速修テキスト講座、労働法重要問題100選講座及び司法試験過去問講座がセットになった「労働法完全パック」をお薦めいたします。司法試験過去問講座に入る前に、労働法重要問題100選講座を使って基礎的な演習を経験するとともに、司法試験過去問の穴をカバーしておくのがベストです。また、労働法重要問題100選講座には司法試験過去問の重要部分も反映しているため、労働法重要問題100選講座を受講すれば、司法試験過去問を数年分やるだけでも十分上位合格を目指せるだけの実力が身につきます。
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それから、毎年、予備試験合格者を含む大変多くの方々に私の労働法講座を受講して頂いております。私に直接ご報告頂いた方だけでも、平成30年以降、毎年、1桁合格者を輩出することができております。
令和1年・2年司法試験の合格体験記を参考にすることで、時間に限りがある中で先輩方が労働法講座をどのように受講して上位合格を果たしたのかについて知って頂きたいと思います。
〇なるべく早く勉強を再開する
今は、現実を受け止めることができず、前に進もうという気持ちになれないかもしれません。
本気で予備試験合格を目指してきた人ほど、合格に届かなかった場合の辛さは大きいです。
令和4年予備試験短答式までは約7カ月、同年予備試験論文式までは約9か月しかありません。
予備試験短答式では、短答固有の知識からの出題が多い下4法がある上、倍率も高いですから、その対策のために相当な勉強量を要します。
辛い時期であるとは思いますが、令和4年予備試験合格を確実なものとするために、なるべく早く勉強を再開しましょう。
〇基本7科目の論文対策
知識はあるけど本試験レベルの問題に対応できていないという方であれば、予備試験過去問を使った演習により司法試験と予備試験に共通する「問題文の読み方」「現場での考え方」「基礎知識を土台とした現場思考コツ」「科目分野ごとの答案の書き方」を身に付けるという勉強に重点を置くべきです。
民法設問2(1)(2)で集合動産譲渡担保の有効性や対抗力&占有改定による即時取得の成否について正確に論証できていない、会社法の主要論点について正確に論証できていないなど、知識の範囲及び質が合格水準に到達していないという方は、予備試験過去問に入る前に、総まくり講座をはじめとするインプット講座により知識面の強化を図ることからスタートするべきです。
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〇選択科目の論文対策
令和4年予備試験から、論文試験科目に選択科目が追加されます。
まだ選択科目対策を開始していない方は、選択科目を選択した上で、選択科目対策を開始することになります。
予備試験の選択科目の概要、選択科目を選択する際の視点、労働法の科目特性などについては、こちらの記事で詳細に説明しております。