加藤ゼミナールについて

ネットで集める司法試験情報~参考にした媒体は?

合格者の試験対策(実務家Sさん)

はじめに

昔の司法試験受験生と異なり,現代ではインターネットにより,様々な情報を,ときに無料で得ることができるようになりました。もっとも,私の場合はインターネットで情報を得すぎて何が正しいのか分からなくなったり,インターネットの弊害を感じたこともありました。

そこで,この記事では,司法試験の情報をインターネットで集める方法について,私の体験談を含めてお伝えしたいと思います。

情報収集ツール一覧

インターネット上で,司法試験に関する情報を集めたい場合,選択肢として下記のようなツールが挙げられます。

  • 個人のブログ,note
  • SNS(Twitter,Instagram,Facebookなど)
  • 予備校のホームページ,予備校講師のブログ
  • 匿名掲示板

まずは,各ツールで収集できる情報の特徴と,各ツールを利用するにあたって私の考えるメリット・デメリットを挙げていきます。

情報収集ツールのメリット・デメリット

個人のブログ,note

■メリット
ブログやnoteは,長文を載せることが可能なため,内容が充実しているのが特徴です。また,1人の書き手が複数の記事を持っているので,司法試験の勉強方法について1人の体験談として網羅的に読むことができます。合格まで年数がかかったり,社会人経験者だったりと,自分に近いタイプの合格者の記事があるので,ためになることが多いです。
勉強法だけでなく,論点の解説や書籍の選び方などの情報も得ることができ,受験生ならではの濃い情報を得ることができます。

■デメリット
特にブログは記事の蓄積に時間がかかることもあり,有用なブログは情報が古くなっていることもあります。もちろん,勉強方法など不変の部分もあるでしょうが,試験制度や試験地の情報などは内容が変わっていることがありますので,いつ頃受験をした方の記事なのか注意が必要です。

■コメント
私は受験生時代に勉強方法に悩んだときは,個人のブログを参考にしていました。どのようなブログを参考にしていたかは「合格者推薦!司法試験で参考にしたブログを公開します」を参照してください。

SNS(Twitter,Instagram,Facebookなど)

■メリット
短文でつぶやくことができるTwitterやインスタは,受験に関する情報や出たばかりの判例など,最新の情報を得るのに適しています。また,勉強をしていて皆がつまづきやすい点や,司法試験受験の際のちょっとした気になること(どこのトイレが空いている,商品が充実した最寄りのコンビニはここ,等)について有益な情報を得ることができます。利用している方が多いので,情報を探しやすいという点も大きなメリットでしょう。

■デメリット
他方,一般論として,匿名の方が短文で発信をしているので,内容の正確性は吟味する必要があります。また,中には心無い発言をする方もいますので,利用には注意が必要です。
私は,自分自身がSNSをしないこともあり,受験生時代には,Twitter等をほとんど見ていませんでした。ロースクールの友達は,Twitterの中で友人を作り,分からない点を質問したり,学外の情報を得たりと,上手に活用していましたね。

■コメント
周りに司法試験受験生が少ない方(社会人や予備試受験者など)は,司法試験に関するリアルタイムの情報を得られるので,役に立つと思います。

予備校のホームページ,予備校講師のブログ

■メリット
予備校のホームページや予備校講師のブログでも,最新判例の考え方や躓きやすいポイント,受験に対する心構えなどを読むことができます。
個人のブログやSNSと異なり,身元が明らかであり,かつ,司法試験受験に関するプロのアドバイスですので,非常に有益なものといえます。

■デメリット
予備校の講師はあくまでボランティア的に情報を出してくれている(中には,無料とはいえないようなクオリティの記事もありますが)ため,1記事だけですべてが理解できるとは限りません。

■コメント
予備校のホームページでは,オンライン授業が1コマ無料で受けられる,という場合もあります(予備校の授業なので,司法試験の解説や論点の解説など,内容は非常に充実していますが,自分が欲しい情報が常にあるわけではなく,頻繁にHPをチェックしているわけでもないので,私は利用していませんでした。)。
なお,私は加藤先生のブログを読んで,加藤ゼミに入ることを決めました。いくつか記事を読み,内容がわかりやすかったのと,加藤先生の人柄を垣間見ることができたので,ゼミに入る決心がついた,という感じでしょうか。

匿名掲示板

司法試験の情報や勉強法については,匿名掲示板でも入手することができます。SNSよりも匿名性が高いため,忌憚の無い意見を聞くことができる一方,匿名であるがゆえに過激な発言もしばしば見られます。

法科大学院の友人の中には,匿名掲示板を利用して,答案に関する議論をしている人もいましたが,私は利用していませんでした。

【おまけ】法務省のページ

初学者の方向けの情報になりますが,法務省のホームページでは,司法試験の過去問だけでなく,論文式試験出題の趣旨も公表しています(例えば,令和2年であれば「令和3年司法試験の結果について」のページに掲載されています。)。

論文式試験出題の趣旨は,出題者が「司法試験はここに点が振られている」「答案を書くときにこういう書き方は好ましくない」というヒントを与えてくれるものです。試験が近くなると読む余裕がなくなると思いますので,早いうちに目を通しておくと良いでしょう。

体験談-受験生時代の情報収集

先人に学ぶ勉強法

私は,個人ブログを読み,勉強方法を参考にしていました。付箋に図をかいておく,条文にマーカーをひく,など,基本的なことの多くをブログから学びました。

反対に,個人ブログでは,司法試験ノウハウ(これをすれば受かる!といった内容)はあまり読んでいませんでした。合格者といえど,司法試験をどの程度分析しているのか分からなかったからです。

試験に関することや勉強で不明な点は,「プロのいうことだから信頼できるだろう」ということで,予備校講師のブログを読んでいました。まさに,かゆいところに手が届くといった感じで,参考書を補完することが出来ました。

私が気をつけていたこと

私がインターネット上で司法試験の情報を得る際に気をつけていたのは,正しい情報を得ること…もそうですが, ネガティブな情報や自分の精神に悪影響を与える情報にはなるべく接しない ,ということでした。

特にSNSや匿名掲示板では,各人が自由に自分の思いを綴っているため,「●●できないなんておかしい」「試験会場に●●な人がいた」など,ネガティブな情報が目につきます。また,勉強が進んでいたり,在学中に法律事務所の内々定が出ているというような他の人の状況を見て,焦ることもあります。

司法試験という長丁場を乗り切るためには,自分の精神を安定させることが重要だと思い,私はこういった情報はなるべく見ないよう,SNSは利用しませんでした。

他方,司法試験受験生の中にはSNSを上手に使いこなしている人もいます。月並みな意見ですが,結局は,自分の性格を見極めて上手に付き合っていくのが良いのでしょう。

おわりに

司法試験を受けるにあたり,無料で情報が得られるインターネットは強力な武器になります。ブログやTwitterを上手く参考にして,受験を乗り切りましょう。

執筆者情報
実務家弁護士S
私大法科大学院卒業・新司法試験合格・実務経験2年以上
加藤ゼミの受講により勉強法を変えたことで司法試験に合格したことから、その経験を後輩に伝えたいと思い記事を執筆。
受験生時代の得意科目は刑法、苦手科目は行政法。