加藤ゼミナールについて

司法試験に受かるまで―私の模試活用法

合格者の試験対策(実務家Sさん)

はじめに

司法試験を受験する場合,司法試験本番に近い形の模試を受験する人が多いと思います。

私ももれなく模試を受験し,本番の役に立ったことも,「もう少し活用できたのでは」と思うこともありました。
そこで,私の模試の体験談を,反省をふまえつつお伝えします。

私の模試経験

受験歴

私は司法試験を複数回受験していますが,模試を受験したのは合格前年になります。
模試の種類としてはTKCを受験しました。

※TKC(伊藤塾),LECが2大模試となっています。周りの友人の多くは,どちらかの模試を受験していました。

模試の成績について

細かい成績は覚えていないのですが,民法,刑法,憲法,選択科目は比較的成績がよく(A~B相当),他の科目については芳しくなかったと思います。

成績が悪かった科目については,司法試験の成績も奮いませんでした。

模試の内容は本番に近いのか

模試の内容について,形式は司法試験によく似ていますが,やはり中身の濃さは司法試験に及びません。
だからといって,後述のとおり,模試を受ける意味がないとは思いません。

模試で学んだこと

私が模試を通じて学んだのは,以下の2点です。

①論文~択一までのハードさ

長時間にわたり試験会場にとどまり,試験を受けるという経験は,模試か本番くらいしか体験ができません。模試を通じてどのくらい疲れるのかをあらかじめ知り,本番のイメージをしておくと良いと思います。
(2日目や中日は疲れが残っているため,思っているほど勉強できません。)

私は司法試験本番を経験してから模試を受験したため,本番の体調管理やペース配分の事前練習に徹しました。
最後まで体力・精神力をキープするために,夜は早く寝たり,試験と試験の間の休憩時間はなるべく人が少ない場所にいたり(周りの会話が聞こえるのが嫌だった)と,本番を見据えて地味な準備をしていました。

②当日に向けて何を準備すべきか(持ち物)

長時間の試験を受けると,疲れてお昼ご飯がのどを通らなかったり,甘いものが欲しくなったりします。また,腰痛になったり(クッション持参で対応),腹痛や頭痛が起きたり(常備薬を持参)というトラブルもあります。

司法試験当日に何を会場に持っていくか,模試を通じて考えておくと良いです。
私の場合は,模試の経験をふまえて,パーカーなどの防寒具(冷房が直撃する席だと辛い),甘い飲み物(ウィダーインだと腹痛を起こすことがある)を準備し,本番でも非常に役立ちました。

模試の結果から学ぶこと

模試の結果=司法試験の結果ではない,とよく言われます。私はこれを真に受け,模試の結果が奮わなくても,「まあなんとかなるだろう」と考えていました。

しかし,模試で点数が伸びない=何らかの問題があるということです。そのため,模試を通じて,知識不足,筆力不足など,自分の弱みを把握し,その後の勉強につなげることが大切です(模試そのものの復習は,論点チェックだけで良いと思います。)。

現に,私の模試の成績は,司法試験の最終結果に近いものがありました。

おわりに

何事もそうですが,模試の受験についても,目的をもって取り組まないと損です。

模試を受験せずに高順位で合格した友人もいますので,模試を受験することは合格にとって必須ではありません。

せっかく模試を受験するのであれば,「この模試で何を把握し,本番に生かすのか」を明確にしてから臨みましょう。

執筆者情報
実務家弁護士S
私大法科大学院卒業・新司法試験合格・実務経験2年以上
加藤ゼミの受講により勉強法を変えたことで司法試験に合格したことから、その経験を後輩に伝えたいと思い記事を執筆。
受験生時代の得意科目は刑法、苦手科目は行政法。